《後味の悪い話》ジレンマ

後味の悪い話
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後味の悪い話

353 :ジレンマ:01/12/31 13:46
ある男が超能力を手に入れた。
それは彼の一動作によって願い事が叶う、というものだった。
たとえばポケットから手を出すとその手には宝石がにぎられているだろう、
指を鳴らすと絶世の美女が部屋のドアを開け現れる、というように。
願うだけではかなわないので、これは衝動的な願望を制御することができた。

そして彼はその能力をもって、知力、品性、財力、なんでも手に入れた。
しかし彼は即物的な願いに飽き、理想を求めるようになった。
その知力をもって歴史を学んだ結果、彼は人間のあまりの愚かさに絶望した。
彼は願った。
「私が目を開けたら、人間たちの愚かさが、なくなっているだろう」

それ以来、彼は、盲人となってしまった。

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