《意味怖》友との別れ

意味が分かると怖い話
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じわじわ来る怖い話5じわ目

402 :本当にあった怖い名無し:2007/07/29(日) 00:55:18 ID:+ZKhtYX00
両腕を骨折して入院していた。
窓際で新鮮な空気は入ってくるものの、とにかくすることが無い。
日がな一日中ベッドに縛り付けられているおかげで、向かいの人とすっかり仲良くなってしまった。
毎日自分の趣味のことや、家族のこと。そして怪我のことについて話し合った。
彼は最近大手術を終えたばかりのようで、片腕がなかった。
痛ましい光景ではあったが、彼は明るい性格だったため、病室は笑い声が絶えなかった。

そんな入院生活も、ついに今日で終わりだ。
退院の手続きを済ませて、病室に荷物を取りに戻った時には、もうすっかり日が落ちていた。冬の日暮れは早い。
別れの挨拶と、前もって用意させておいた菓子折りを持って、向かいのベッドへと進む。
・・・眠っているようだ。頭からを毛布をかぶっていて、寝息も立てていない。
声をかけるのはかえって悪いようだった。
仕方が無いので、簡単な置き手紙を書き上げて、そっと置いておいた。
こんなお別れで後ろ髪を引かれるようだったが、ここは堪えて早く元気になってくれるよう祈った。

病院をでてタクシーに乗り込むときに、病室のあたりを振り返った。
するとそこには、満面の笑みで両腕をふり、見送る友人の姿があった。
・・・なんだ、起きていたのか。先に退院して、待ってるからな。
あふれてくる涙を抑えられなかった。そのせいか、彼の顔がぼやけて見える。
私は彼に大きく手を振り返し、タクシーへ乗り込んだ。

403 :本当にあった怖い名無し:2007/07/29(日) 01:01:04 ID:Y1J5NApv0
>>402
ぐっときた!
なんか見送る友人は、そのまま天へ帰ってしまうんだなあとジワリ

405 :本当にあった怖い名無し:2007/07/29(日) 01:04:27 ID:ojQaEjgh0
義手をつけてたの黙っていて、驚かそうとしてたとか。

408 :402:2007/07/29(日) 01:09:33 ID:+ZKhtYX00
>>403
サンクスです。ほんのちょっといじっただけなんだけどね。
・友人の数を1人減らした(生身の人が増えるほど怖くなくなる)
・時間を朝から夕暮れ時に変えた
・友人が既にこの世の人ではないことを暗示した(寝息も立てていない)
→魂になったから、友人は失った腕を取り戻して手を振ってくれている

というわけで、>>382の話自体がかなり出来が良かったわけだよ。
ほんのちょっといじっただけで、そこそこな話に変わってくれた。

>>405
それだと、かなりお茶目な友達だな。『明るい性格』というのが伏線だね。
でも、そういう解釈も好き。眠ったふりしてて、最後の最後に友達を驚かしたわけか。

コメント

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